還暦祝い長寿祝いの色

お祝いごとに決められた色「還暦の赤」

還暦祝いと言えば、思いつくのが赤いちゃんちゃんこですが、あれは何色でもいいわけではありませんよ!還暦のお祝いの色は赤と決められているのです。では、なぜ赤なのでしょう。今回は、還暦祝いの赤、日本の赤について。

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お祝いに赤が使われる理由

赤色は、太陽や血、命そのものの色として使われてきました。世界各地の洞窟で発見される古代人の残した壁画は、ほとんどが赤い色で描かれているそうです。原初から人間は赤に魅せられてきたわけです。
日本においても、赤は古来から魔除けの色として使われてきました。神社で結界を張る鳥居が赤く塗られているのをご覧になった事があるでしょう。伏見稲荷の朱塗りの鳥居は特に有名ですよね。朱色の原料は辰砂と呼ばれる鉱石で、これは自然に存在する水銀です。水銀には防腐作用がありますから、木製の鳥居を腐敗から守るという実際的な目的にもかなっていました。
また、ほとんどの鳥居は太陽のある南を向いて建てられています(命、気のエネルギーを取り込むため)が、中国の神獣で南を司るのは朱雀です。朱雀の色である朱を塗ることでより強力に守ろうとしたのかもしれませんね。平安京や平城京の入り口にあった朱雀門も、朱塗りの門であったと言われています。


還暦祝いと赤い色

還暦祝いの歴史は、実はあまりはっきりしたことがわかっていません。中国発祥の暦「干支」の数え方によると、60歳で暦が一巡することから、60年で命が生まれ変わるという考えが生まれ、日本でもそれを祝うようになりました。暦が巡って命が新しく生まれ変わる=赤子に戻るという解釈から、還暦祝いには赤が用いられるようになったのです。赤は命の色、魔除けの色ですから、自然と結びついていったのでしょうね。
今は赤いちゃんちゃんこや帽子を嫌がる方も多いので、赤い色の出番が少なくなってしまいますが、昔から大切にされてきた慣習ですから、どこかで継承していきたいもの。赤いものを贈る、赤いものを食べる、赤でデコレーションした部屋でパーティーする、なんてのもいいですね!


おまけ

還日本古来の赤色には、ニュアンスの違った様々な色があります。ご参考までに!


茜色(あかねいろ)=
アカネの根で染めている少し沈んだ赤色のこと。「日」などの枕詞として最古の和歌集である「万葉集」で詠まれていることでも有名。夕日を形容する際に例えられており楽曲の歌詞としてもよく用いられています。


小豆色(あずきいろ)=
小豆の実の色のような暗みのある赤紫色で、赤というよりもやや茶色に近い色です。古くから愛されてきた色で、特に関西の私鉄沿線では古くからこの色が採用されており高級感のある色として人々に認知されています。


紅色(くれないいろ、べにいろ)=
紅花の汁で染めた鮮明な赤色のこと。女性が使用する口紅の色として多く用いられています。また法律によって、日本の国旗である「日章旗」の赤い丸の「日章」は紅色と定められており、また中国語では紅=共産主義の意味として使われています。


桜色(さくらいろ)=
ごくうすい紫みの赤色。春のイメージが強く女性や赤ちゃんの心像としてよく使用されています。また、大企業の調査により集中しやすい・やる気が持続するという効果が期待できるとして積極的に同色が商品に採用されています。


珊瑚色(さんごいろ)=
桃色に少し黄色がかった色。赤珊瑚の色からこの名前が名付けられたという説があります。また古来から黒髪に生えるという理由から装飾品に多く同色が使われ、有名な文学作品でも苺やリンゴなどの例えとして珊瑚色が多く用いられています。


朱色(しゅいろ)=
日本の伝統色名で赤色と黄色の中間のような色。神社の鳥居や還暦などのお祝いの衣装としてこの色が使用されているのは、古来より魔除け効果があると言われており、その効果を狙って活用しているそうです。


薔薇色(ばらいろ)=
うすい紅の色。薔薇色という名前は、最近使用され始め、JISの色彩規格ではあざやかな赤とされています。幸せや希望に満ちた事柄として「薔薇色の○○」というように形容されることが多く、小説などによく用いられています。


桃色(ももいろ)=
赤と白を混ぜて作る色。赤色から作り出される色としては最もポピュラー。桃の節句(上巳)など女性のイメージを彷彿とさせるものに多く使用されており、心理効果としては愛情や安らぎ、若さ、緊張をやわらげるものがあると言われています。


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