緑寿祝いの色

お祝いごとに決められた色「緑寿の緑」

65歳の長寿を祝うのが緑寿。ろくじゅと読みます。緑寿の色は、文字通り緑色です。歴史は浅いですが、還暦を赤で、古希を紫で祝うなら、やっぱり緑寿は緑色を使ってお祝いしたいですね。今回は、緑寿祝いの緑、日本の緑について。

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そもそも、緑寿って何?

聞き慣れない方もあるかもしれませんが、65歳(数え年では66歳)の長寿を祝うのが緑寿です。もともと、60歳と70歳の間には喜寿(77歳)が、70歳と80歳の間には米寿(88歳)が、90歳と100歳の間には白寿(99歳)がありますから、60歳から70歳の間にも何かあってもいいかもしれませんね。そんな思いで生まれたのが緑寿です。歴史は非常に浅く、2002年に日本百貨店協会が提唱したのが始まりです。
昔は定年退職が60歳だったことも重なって、還暦は人生の節目という意味が大きかったですが、現在ではまだまだ元気な方がほとんど。60歳で「長寿」という実感は湧きにくいですよね。定年は65歳まで引き上げられる傾向ですし、年金受給開始も、医療における高齢者の年齢区分も、65歳からと法律で決められています。現代の世情に照らして考えると、65歳の方が変化と節目の年と言えるかもしれません。


緑色は、癒しのある命の色

自然に存在する緑の色は、安らぎと癒しを感じさせる色です。静的だけれども命を感じさせる成長の色です。数え年の66歳を「ろくろく」と読むことから、66歳の賀寿に緑があてられたわけですが、緑が選ばれたのには時代背景もあります。2000年初頭は、環境への配慮、リサイクル&リユース、エコロジーが叫ばれた時代。イメージアップにも繋がることから各企業がこぞって取り組んできた頃でした。
もちろん最近できたお祝いごとなので、世間での認知度は低いです…。言ったってまだ10年少々。でも、慣習の起源はそんなものかもしれませんね。例えば、土用の丑の日にうなぎを食べるという慣習は、平賀源内がうなぎ屋に頼まれて作ったキャッチコピーが元になっていますが、当時誰がこの平成の時代までこの習わしが続くと思ったでしょう? 今更それを商業主義的だとかあざといといって忌諱する人はいません。お祝いしたい心や楽しむことが大事だと思います。貰う方だって幸せな気持ちになるのだから今後さらに浸透していくことでしょう。プレゼントするなら、例えば緑の衣類や帽子など普段から着られるものや記念になるものを贈ると喜ばれるかもしれませんね。


おまけ

日本古来の緑色には、ニュアンスの違った様々な色があります。ご参考までに!


青丹(あおに)=
緑みのある土色。ここでの青は緑のことで、丹は緑色がかった土の色を意味しています。「万葉集」でも奈良にかかる枕詞としても青丹が使用されています。さらに、古くから染色や織物の色名として用いられています。


鶯色(うぐいすいろ)=
灰色がかった緑褐色。抹茶色にも近い。ウグイスの背の色に似た色とされており、江戸時代から染色としてよく使用されていたそうです。心理的にはストレスを和らげる効果があるとされ、柔らかいイメージを連想する方も多いでしょう。


青磁色(せいじいろ)=
ごく淡い青緑色。あまり聞き慣れない、青磁というのは、うわぐすりをかけた磁器のことで中国から平安時代に伝わったもの。元来、中国では秘色と呼ばれており唐では庶民の使用が禁止となっていたという磁器だったそうです。


白緑色(びゃくろくいろ)=
別名アイスグリーン。氷山ような透明感のある緑色で、中国から伝わったとされています。JISの色彩規格ではごくうすい緑。奈良時代には仏像の色によく用いられていました。便器や下着にも採用されています。


緑色(ふかみどりいろ)=
読んで字のごとく濃い緑色。心理的には無意識を意味するらしく、ナチュラルや誠実というイメージがあるそうです。たくさんの樹木などの暗い緑色に例えられることが多いです。浅緑の対義語。


抹茶色(まっちゃいろ)=
JISの色彩規格ではやわらかい黄緑とされています。茶道に飲用として使われている抹茶のような色で、近年では抹茶を含んだ洋菓子やアイスなどに使われているのでよく見かけることでしょう。JRの電車に採用されることも多い。


柳色(やなぎいろ)=
黄緑色に白みがかった色のこと。平安時代からある色名で「源氏物語」や「万葉集」など多く登場する色。江戸時代には柳色をモチーフに様々なバリエーションの染物として使われることとなった。春の訪れを予感させる色とされています。


若葉色(わかばいろ)=
明るい黄緑色。深緑の前の色。季語としては夏です。生えて間もない草木の若葉のような色で、イメージとしては目標の達成や判断力を高めると言われています。松尾芭蕉が読んだ句にもこの若葉色が登場しています。