還暦祝いは中国の易学がルーツ

2016/09/14

≪還暦のルーツ≫

日本では定番のお祝いとなっている還暦ですが、ルーツは中国にあることをご存知でしょうか?
あまりにも昔からある伝統的な事柄には諸説ありと言われますが、還暦の場合は聖徳太子のいた頃の時代に派遣された遣唐使や遣隋使が中国から持ち帰ったことが、日本の還暦の始まりという説が有力です。

日本ではネズミ、ウシ、トラ、ウサギ…といった十二の動物が登場する十二支が年や時間を数える数字代わりとして頻繁に使われていますが、十二支だけでなく十干も年月を数える一つの測りとなっています。
十干とは、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸のことで、陰陽五行を表しています。
「甲猿」「庚未」など、十二支と十干を組み合わせて表した暦は今でも表記されることが多く、馴染みのある方も多いことでしょう。
日付と同じように年にもこのような十干十二支があり、生まれた時の十干十二支が巡り巡ってもう一度重なるのが60年後になります。
そのため、「暦」が「還」ってくる60年目の年を「還暦」としてお祝いすることになったのです。

≪易学としての十干十二支≫

陰陽五行説は中国の易学で重要視される事柄です。
易学では、全ての自然界は陰陽の関係で成り立っており、その組み合わせの変化によって、様々な事象を読み取ることができるとされています。
戦いや政治にも用いられ、中国の歴史と易学は切っても切れない関係にあるといえます。
細長い竹のような筮竹(ぜいちく)を使って占っている様子は、誰もが一度は見た覚えがあるのではないでしょうか。
科学が格段に進歩した現代でも人は占いを見ては一喜一憂するものですから、古来の人間なら尚のこと占いを大事にしていたのでしょう。
還暦は、そんな膨大な歴史を支えた易学がルーツとなっているのです。
十干十二支が一周しまた新たにスタートする還暦は、易学でもとても大切な日ですから、記念品や贈り物などを用意して思い出に残る日にしてください。